2004年11月号

「室町時代の少女鉄仮面伝説」


皆さん、「昔話」って知ってますよね?テレビでも毎週土曜に「まんが日本昔話」が放映されていたこともありましたが、自分の住んでるところに伝わっている「昔話」ってどんなのがあるのか知っていますか?

僕(中川A)
T野村の生まれ住んでいた大阪府寝屋川市にはある昔話が伝えられてきました。

その者は頭に大きな鉢をかぶり、周りの誰もがその顔を見たものはいない。・・・だがその醜い姿の中には美しい素顔と清らかな心が隠されていた・・・

今の時代では「少女鉄仮面伝説」といえばもちろん皆さんご存知の「スケバン刑事」なのですがそれより遥か昔・・・およそ600年前にすでに似たようなお話が作られていたなんて信じられますか???

まぁ、そのお話をご覧下さい。

こいつではありません。(笑)
原哲夫著 「北斗の拳」より



「鉢かづき」

 その昔、河内国の寝屋に藤原実高という大長者が住んでいました。たいそう裕福で、人々から「寝屋長者」と呼ばれていましたが、ただ一つの悩みは、子宝に恵まれないことでした。

それで毎月、大和国初瀬寺(長谷寺)の観音さまに、子宝を祈りに月参りをしていました。すると、お告げがあって、女の子が授かりました。姫は、観音さまにあやかって「初瀬」と名付けられました。初瀬姫はとても愛らしく、一家は幸せに暮らしていました。

しかし、姫が14歳の時、母親が病気で倒れました。母親は、観音さまのお告げどおりに、姫の頭に鉢をかぶせて、息をひきとりました。

悲しみのうちに一年が経ち、新しい母親がきました。この母親は、最初は優しかったのですが、月日が経つにつれ、姫につらくあたり、とうとう姫を追い出してしまいました。

家を追い出された姫は、淀川に身を投げましたが、鉢が浮いて、沈むことさえできませんでした。そこへ「山陰中将」という公家が通りかかり、姫を助け、自分の屋敷に連れて帰りました。

中将には、四人の息子がいましたが、四人目の息子(宰相)は、まだ独身でした。ある日、姫が宰相の湯殿番をしていた時、宰相は、姫に優しく声をかけ、身の上をいろいろたずね、姫も今までのことをすべて話しました。やがて、2人は愛しあうようになりました。

しかし、周囲の者は反対し「嫁くらべ」をして、姫を屋敷から追い出そうとします。姫は、みずから屋敷を出ようとしますが、それをいさめるように、鉢が頭から落ちました。鉢のとれた姫の姿は、それは美しいものでした。しかも、鉢の中から、金銀財宝や、類い稀な宝物が出てきました。鉢はひらひらと蝶のように足元から舞い上がっていきました。

そして「嫁くらべ」にのぞんだ姫は、他のどの姫より、美しく、その気品あふれた心の美しい姫の前には、兄嫁達は、手も足も出ず、太刀打ちできませんでした。また、姫の奏でる琴も見事でした。こうして中将をはじめ周囲の者も、2人の仲をゆるし、その後、皆が幸せに暮らしたということです。



いかがでしょう?内容もなかなかにシュールで現実的。
頭に鉄仮面(鉢)を被せられた少女があまりの仕打ちに自害を試みる・・・他の昔話で主人公が自決するような話なんてありますでしょうか???しかも主人公が女の子だなんて話は他にはかぐや姫くらいしか思いつきません。

もちろん内容は「んなこたぁないやろ〜」というようなお話ですが、ある程度メジャー?な昔話が自分の住んでいるところに伝えられているなんて嬉しいじゃないですか。

強いて言うなら、「スケバン刑事」ならぬ、
「スケバン公家」???

今現在寝屋川市ではこの「鉢かづき」を市のマスコットキャラクターにし、各地に鉢かづきの石像を建立しています。

まちの履歴書(寝屋川市)

寝屋川市のマスコットキャラ
「鉢かづきちゃん」

鉢かづき姫の石像

で、ここで僕(中川A)T野村のいつも遊んでた寝屋川市の紹介。寝屋川市という名の通り、ど真ん中に「寝屋川」という川が流れております。僕の実家はその寝屋川の横にあります。

・・・一級河川 寝屋川 全長21kmで、その40%が寝屋川市内を流れている。

大阪府内で有名な「淀川」(鉢かづきが入水した川)の支流で以前はとても綺麗な川でした。土日には皆で川の中に入ったり泳いだりしてたんですよ。今の姿からは想像出来ないかもしれないけどほんとなんですよ!

昭和41年当時の寝屋川
(寝屋川市発行、寝屋川市勢総覧より無断転載(笑))

今はこれ。電車(京阪電車)は高架になった。

この梯子を降りていく

あー、やっぱここに来ると落ち着くな

水面はすぐそこ。僕の足見えるでしょ。

幼稚園当時、ここに移り住んできた頃の思い出は護岸は固められていましたが。川沿いの道がアスファルトじゃなくて土で、材木やらボロボロの不法投棄された車やら犬の糞やらがそちらこちらに撒き散らされていました。フェンスももっと低くて、子供でも突き飛ばされたら落ちてしまうような・・・大人ならつまづいただけでも川に落ちます。そんな危険な場所でした。

でもここにいっぱいの人が遊びに来て釣りをしたり川に入って網でザリガニを取ったりしてました。僕自身中学ん時までここで毎日カエル釣りをして百匹以上のカエルに虐待行為(笑)をしていました。

こんな視点から寝屋川を見たのって中学以来だよ・・・

一番上の写真の向こうに見える橋の上が僕と野村の遊び場で、毎夜毎夜集まっては特に何をするでもなくたむろしていました。

カルガモだって住んでる

サギもいる

これは無断転載の画像(笑)
鯉だってこんな風にいっぱいいる

寝屋川市駅前では、藻が新緑に繁茂し、オイカワが忙しく行き来しています。カワセミもやってきます。府立工専より上流部には砂州があり、昨年は、ヨシノボリやメダカ、スジエビも確認され、カルガモも棲みついています。

上の高架の駅のホームをつらぬく

さらに屋根まで突き抜ける。すげぇなぁ。

不思議な話を一つ・・・僕らの実家の最寄の駅は「京阪沿線 萱島駅」なのですがこの駅では普通ありえないような光景に出会えます。・・・くすのきが駅のホームのど真ん中を貫いています。なぜ???

樹齢千年の楠があり、昭和54年の京阪萱島駅舎改築の際、切り倒そうとしたが、土地の古老がたたりがあると伝えたため駅中央に残すことになり、これによって改築費が一億円も新たに要したとのことである。

切ろうとした人の中から怪我人が出たとも聞いています。(ほんとかはしらん。うわさ。) あまりにも珍しいのでその当時、今でも放映してますが日本テレビ「ズームイン朝!」の取材がありました。
このくすのきが生えている根元に「萱島神社」があり、僕は毎年お参りしています。おみくじも引きます・・・大吉出したことありません。(号泣)

このコラムを書いてたら望郷心にかられてしまいました。いくつになっても子供の頃の思い出って忘れられないものなんですね・・・