2004年12月号

タンチョウに会いに行く!





突然ですが僕は冬の北海道が好きです。 「えっー、流氷の時と同じ出だしじゃん!」 なんて言わずに・・・。(笑)

冬の北海道で僕が出会った物の一つ、タンチョウ。 背丈が約150cm、体重は約10Kg程の鳥ですが、両方の羽を広げると220〜240cmもの大きさになる日本で最も大きな鳥です。 白と黒と赤の彩りがすばらしく、世界一美しいツルといわれています。

僕はあんまし感動とかしない性格なのですが、北海道の雪景色の中にタンチョウが目の前に舞い降りて来て、大きな翼を広げた時には、思わずその姿に息を飲み、声が出ませんでした。 野生のタンチョウでは無くて、丹頂鶴自然公園のタンチョウだったのですが、あの時の驚きは今でも忘れられません。


頭のてっぺんが赤いから 『丹頂』 って言うんだよ。

タンチョウに会うのに一番手っ取り早いのは、釧路駅から定期観光バスに乗る事です。 夏と冬にそれぞれ定期観光バス(阿寒バス) が出ています。 夏は行った事が無いのですが、冬の平日に乗ってみたらお客はたったの3人。 バスガイドのお姉さんの説明も色々聞けて結構よかったです。

けど定期観光バスではのんびりとタンチョウを見ている時間が無いので、2年目は2泊3日の強行軍の日程になりながらも自分で見に行きました。

仕事を早めに終えてから大急ぎで関西空港まで行って、札幌行きの最終便に飛び乗ります。 釧路へも飛行機は飛んでいるのですが、1日1便しかなく、到着が夕方になるので少ない休みを有効利用する事が出来ません。 なので夜発の最終便で札幌へ行き、夜行列車
(割引切符だと往復10,000円) で釧路へと向かいます。 こうすれば釧路には翌朝6時頃には着くし、大阪−札幌間の格安チケットが使えるという寸法です。 (ちょっと疲れますが・・・。)

そこからは路線バスの時刻表とにらめっこしながらタンチョウに会いに行きます。 1時間に1本くらいしか走っていないので慎重に計画・行動しましょう。



釧路湿原展望台

冬の北海道の大地は真っ白い
雪に覆われる。 空の青もいい。
釧路湿原展望台。(夏) 展望広場までの遊歩道も
雪に閉ざされてしまう。

釧路駅からとりあえずタンチョウの村 鶴居村 を目指してバスに乗り、最初はここ 釧路湿原展望台 で下車してみました。 けど朝早かったので開館前で中には入れず。 次のバスまで時間があるので展望台周辺を散策してみます。
遊歩道も雪に覆われ展望広場まで歩くのも一苦労。 深い雪に足を取られ、多少遭難しかかりながらも展望広場までやっとの事で到着。 ここからは釧路湿原を一望する事が出来ます。 天気がいいと青い空と白い雪とのコントラストが気持ちいいです。


展望広場からは釧路湿原を一望。

タンチョウは一時期、生息地である湿地の開拓や乱獲などで、日本では絶滅したと思われていました。 しかしその後、釧路で生息が確認され、国の特別天然記念物に指定されました。 最近では保護活動が実り、ここ釧路湿原を中心に約600羽まで増えているそうです。

暖かい季節にはタンチョウはこの湿地帯で生活をしていますが、冬になると餌が少ないので大部分のタンチョウは、鶴見台鶴居・伊藤サンクチュアリなどの給餌場に集まってきます。




鶴見台


鶴見台の給餌場。

遠くから静かに眺める。 双眼鏡か望遠のカメラが必要かも。 どこからとも無くタンチョウが飛来する。

釧路湿原展望台から更に北へ向かった所にある、鶴居村のタンチョウの飛来地としてよく知られているのがここ 鶴見台。 冬の間には150羽ほどのタンチョウが訪れるそうです。

冬の定期観光バスもここに立ち寄りますが15分くらいで次に行ってしまうので、今回はここでじっくりタンチョウを観察してみました。 タンチョウは非常に臆病な鳥なので、柵越しに遠くから静かに眺めます。 ここでタンチョウを愛して給餌を続けるのが、渡部トメさんという方なのですが、他の人が餌を撒いても食べない程警戒心が強く、臆病なのだそうです。 また、一度でもタンチョウを怖がらせてしまうと、その給餌場には二度と来なくなるそうです。 なので静かに見守りましょう。 双眼鏡か望遠カメラがあった方がいいかも。

翼を高く大きく広げてダンスを舞う。 口ばしを天に向け、
鳴き合いを始める。
近くで見られないのが残念・・・。

タンチョウは時々その大きな羽を広げて、まるで踊っているかのような華麗な舞、求愛のダンスを披露してくれます。
また、つがいの雌雄は時折鳴き合いを始め、雄が 「コーッ」 と長く引っ張って鳴くと、雌が続けて 「カッカッ」 と細切れに切った鳴き方をします。 「ツーといえばカー」 ではありませんが、雪でし〜んと静まり返った北海道の大地によく響く声です。
タンチョウには相性があるらしくて、簡単にはつがいにならないそうですが、一度つがいになると死ぬまで離れることはないと言われています。 見習わないといけませんね。




鶴居・伊藤サンクチュアリ


鶴居・伊藤サンクチュアリで舞うタンチョウ達。

沢山のタンチョウが集まる大給餌場。 沢山のタンチョウが餌を食べにやって来る。 写真を撮りに来る人も多い。

鶴見台から更に北へ、鶴居市街の少し手前にある給餌場が鶴居・伊藤サンクチュアリです。

ここには沢山のタンチョウが餌を食べにやって来て、12月〜1月には200羽前後のタンチョウが集まるそうです。 ここはタンチョウの写真を撮りに来る人も多く、三脚の上に望遠レンズの付いたカメラを載せて、みんな寒い中を静かにシャッターチャンスを待っています。

ネイチャーセンターは入館無料。 暖かい館内から望遠鏡で観察。 しばらく見ていると次々に
タンチョウの群れが飛来する。

ここはタンチョウを愛した伊藤良孝さん(故人)という方が長年給餌活動を続けていましたが、その意志を (財)日本野鳥の会 が引継ぎ、保護活動を続けています。

給餌場のすぐそばにあるネイチャーセンターは入館無料で中にはタンチョウの資料が展示してあります。 館内には望遠鏡が数台設置してあり、暖かい館内からタンチョウを観察する事も出来ます。 冷えた体をここで温めて、ゆっくりと観察しましょう。




丹頂鶴自然公園

丹頂鶴自然公園。(入園料 300円) 金網越しにタンチョウが見られる。 と言っても屋根は無いのだ。

定期観光バスで行った時に立寄ったのがここ、丹頂鶴自然公園。 入園料は観光バスの料金に含まれていました。(入園料 一般:300円、小中学生:100円)

金網があって中にタンチョウが放し飼いにされているのですが、金網に屋根は無く、タンチョウは外に自由に飛んで出られる様になっています。 文字通りの放し飼いの状態です。 せっかく見に行ってもどこかへ遊びに行っていて、居ない場合があるかも知れません。

ここで1羽のタンチョウが僕のほんの1m程前に舞い降りて来て、その大きな翼を広げて艶やかな舞を踊りました。 あっけに取られて、全く声も出ず、カメラを持っていたのに写真を撮る事さえ忘れていました。


・・・・・でも、よく考えると求愛のダンスを踊るのって オス なんですよねぇ。(笑)