2005年9月号

「激闘!青森旅行3泊6日!(前編)」



今年の8月、僕(中川A)は嫁はんと共に埼玉県から青森県の十和田湖まで旅行に行ってきました。計画を立てたのがすでに7月末だったのに加えて、極度の貧乏でもあったのでなんとか安く行けないだろうか・・・と考え、編み出した方法が夜行(高速)バスを乗り継ぎ、宿泊は全てキャンプ場で済ませるというものでした。さてさてどうなりますやら・・・


バスの出発を待つ群衆

カーテンで完全に世俗と遮断される

やっと朝か〜?


すでに青森県まで直行の夜行バスが予約でいっぱいになっていたので、高速バスを乗り継いで行ってみようと。まずは新宿から夜行バスで仙台まで行く切符を取りました。そして仙台で八戸までの高速バスに乗り継ぐ。そこで電車に乗り換え、十和田市でまたバスに乗って現地入り・・・という、行きの行程だけで20時間はかかろうかという地獄のロードに出発しました。

高速バスを乗り継ぐということ自体初めての経験なのでそこんとこにちょっと無理があったのかもしれない・・・でも理論的には可能なはず、きっとそんなこと貧乏な旅行者なら誰でもやってるさと軽く考え過ぎていたのでしょうか。真のトラブルに巻き込まれるハメになったのです。

そう、乗り継ぎに失敗したのです。(笑)

ちょうど時はお盆時。帰省ラッシュで高速道路も大渋滞です。それを見越して仙台にて3時間後の乗り継ぎを予定して切符を取っていたのですが、なんと3時間半の遅れ(出発時間1時間・走行時間2時間半の遅れ)。結局新宿から仙台まで6時間の予定が9時間半もかかってしまいました。(その間一度も車外での休憩なし)


仙台駅

バスの事務所に乗り込む

文句を言いまくると右往左往する事務の人


仙台駅に着いた途端、運転手に詰め寄りました。「乗り継ぎ出来んかったやないか!どないしてくれんねん!」
もちろん運転手が悪いわけではないのをわかっているので大人しく事務所に行くことにしました。

「乗り継ぎは認められていませんからねぇ」と事務所長は言う。まぁ確かに同じバス会社のバスに乗り継ぐならともかく、次の八戸までは違うバス会社に乗る。それに盆休みなので高速が渋滞して到着時間が遅れるのも納得できる。でもバスの走行時間は2時間半遅れで、ただそれだけなら乗り継ぎが出来たんだ。出発時間の1時間遅れさえなけりゃ・・・
どうしてもそれが納得できず、文句を言いまくること
2時間

「※時※分までに八戸に行かないといけないんですよ。もうそれにはバスじゃ不可能ですよね?新幹線に乗るしかないんですよ。お宅の会社でその差額全て出してもらえまへんか?」

しかしそんな言い分が通る訳もなく、結局乗れなかったバス代は向こうのバス会社からチャラにしてもらえることになった。しかしあんたんとこの会社は全く何も損してないんじゃないの?オレらに嫌な思いさせただけ?

「どうもすみませんでした、まぁこれでも飲んでください。」とコカコーラを2本もらう。新幹線に乗ることで僕らが余計に払うことになったお金が8000円。「・・・このコーラ1本辺り4000円か・・・高いコーラやのぅ!?」と捨て台詞を残し、事務所を後にする。

何にしても旅は始まったばかり。気分を切り替えて
新幹線でレッツゴー!


しゃーない、新幹線で行くか

ら〜くて〜ん、イ〜グル〜ス♪

駅は綺麗だけど電車は1時間に1本

ぬな?普通あるべきものが少ししか無い?

むむむ、趣きの有り過ぎる駅舎

自動改札じゃないの数十年ぶりだ


八戸到着後、JR東北本線で三沢駅まで。さすがは初めて足を踏み入れた本州最北端県、青森県。珍しいものばかりです。電車なんて1時間に1本あればいい方。そして電車内部には普段あって当然のものがほとんど無いのに気付きました・・・こ、広告がほとんど無い!!!車内吊りポスター、網棚の上の広告がことごとくありません。もしあったとしてもそれはJR関連の広告。そりゃ考えてみればそんなに広告費にお金を出す企業なんて青森県にはほとんど無いんだなぁ。

そして今度は十和田観光電鉄に乗り換え、終点十和田市駅まで。凄まじく趣のある三沢駅です(上記中)。

・・・恐るべし青森県!!!

先頭車両の一番前のドアしか開かない

残るはバスのみ!

最後のスーパーで買い物


十和田市駅に着くとそこにダイエーがあった。「・・・恐らくこんなお店があるのはここが最後になろう。今晩のご飯やお茶をここで買うことにしよう。」 しかし青森県は物価が安い。焼き鳥10本で280円!!!??? 関東のスーパーの三分の一の値段やないか!!! 急いで買出しをした後、1時間半かかって十和田湖まで1日たった1本のバスに乗り込む。

1日1本のバスに乗って行こう

トタン屋根の家しか無い

空が曇ってきたんですけど

前から話には聞いていたけど青森県には瓦葺の屋根の家なんか無い。どこもトタンで出来た屋根。そんな風に辺りの風景を見ながらバスに乗っていると、天候が一転。俄かに黒い雲が出てきました。「うわー、やばいな。オレらの向かってる方角やんか・・・」 そしてポツ・・・ポツポツ・・・ポツポツポツ、バラバラバラ!!!

ぎゃーっ!やめてくれーーーっ!

突然凄まじい雨、土砂降りです。これから清流の澄んだ、世界に名高い奥入瀬渓流を見ながら十和田湖へと続く道をクルージング(笑)し、旅情に浸ろうかとしているまさにその時でした。「だーーーっ!なんちゅう土砂降りや!!!」

そこでバスのアナウンスがバス停を予告する通常モードから奥入瀬渓流を紹介する観光客モードに入り、バスが奥入瀬にさしかかったことを物語りました。

「♪〜、奥入瀬渓流にさしかかり、渓流の水も次第に清らかな流れになってまいりました。」 ・・・だけどオレの目には渓流の水は・・・








がぶ飲みコーヒーにしか
見えませんから!!!

・・・だ、濁流!!色々と見せ場、滝などをアナウンスで紹介してくれますが、全て濁流。 「あぁ・・・夢にまで見た奥入瀬が・・・苦労してここまで辿り着いたのに濁流とはあまりにもひどい仕打ち・・・」

バスが到着してもこの土砂降りの中をキャンプ場まで歩いて行かなければならないなんて、気が滅入る一方。
しかし天は我らを見放してはいませんでした。十和田湖に近づくにつれて雨が少しずつ小降りに。バス停到着前には完全に止んでしまいました。「おお!雨が止みおった!
奇跡か!!!」


突然雨が上がった

やっと着いたが・・・

バス停は完全に朽ち果てている

キャンプ場はまだか〜

おお、到着!

ま、とりあえず乾杯やね

到着!!!先ほどの土砂降りのために湿度は完全に100%で、まるで水の中を歩いているかのようでしたが、十数分歩いてキャンプ場に着きました。

まぁ一応無事にここまで着いたことを祝おうじゃないか!
乾杯!!!(なぜかオリオンビール(笑)) 行きの行程だけでこんだけアクシデントがあったんだからもう後は楽しくて感動的な旅行を楽しめるだろう・・・と僕らはその時疑いもしないのでした。


「激闘!青森旅行3泊6日!(中編)」に続く