2008年3・4月合併号

池川神楽(かぐら)を見てみたよ。






〜 神と音楽の共演 〜 池川神楽

− 池川神楽の由来 −

約四百年前文禄二年
(豊臣秀吉天下)に起源し土佐三大神楽に数えられる。
昭和三十五年高知県無形文化財の指定を受ける。
昭和四十八年八月文化庁無形文化財に選定される。
昭和五十五年二月一日重要無形民俗文化財指定。


「池川神楽、見に行かない?」

「へっ? 神楽ってなぁに?」


昨年の秋(というか初冬)の四国ツーリングの計画を相談している時の会話である。



「能とか狂言とかみたいなやつ? それって面白いの?」

「ツーリングマップルに書いてあるくらいだから、多分
ライダーにはお勧めの面白いイベントなんじゃないの?
ほら、キャンプ場も近いし、じゃぁ決定ね。」

よく分からないし、別段興味がある訳では無いけれど、知らない事を知る事には興味がある。
(どっちやねん!)

とりあえずツーリングのついでだし、11月23日限定だし、見に行ってみましょうかねー。

という事で 『神楽』 なる物を見に行く事になりました。





≪注意!≫ 下のコラムに記載のある台詞は私が想像して
       付けた物であり実際の台詞ではありません。




寒い11月の末のツーリング。 川の対岸にある池川町。 この石段を登った先に・・・。



ありました。 池川神楽の舞台となる池川神社です。





高知県吾川郡仁淀川町ホームページ
http://www.town.niyodogawa.kochi.jp/


池川神楽
http://www.town.niyodogawa.kochi.jp/kanko/rekishi02.php


昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定。
約400年の歴史を持ち、土佐三大神楽に数えられている。
演目の中で「児勤の舞」があるが、この舞は、
土佐の神楽の中で池川神楽だけに見られる舞である。


朝の境内には人はまあまあ。 池川神楽ののぼり。 露店も少しは出ています。
(たこ焼きは美味くなかったけどね。)

昼前に着いたので人もぼちぼち。 演舞開始は11月23日13:00〜との事なので
昼飯でもと思っていたら午前に地元の中学生の演舞があるとか。
とりあえず最初から見ましょうかね。 まだ人も少ないからゆっくり見れるでしょう。


・・・・・って何っ? これって4時間も続ける舞なのぉ!?


池川神楽 演武次第

日本全国の神々を迎える神儀に始まり、
[一]宮祓、[二]悪魔払い、[三]和卓の舞、[四]神迎えの舞、
[五]二天の舞、[六]手草の舞、[七]児勤の舞、[八]岩戸の舞、
[九]四天の舞、[十]薙刀の舞、[十一]山主の舞、
[十二]将軍の舞、最后に王神立の神儀を以て終わる。
所要時間四時間、太鼓、締鼓、手拍子の奏楽を伴い神歌唱文を誦す。
舞奉仕十人二間四方四本柱に大榊を立て、しめ縄を張り、切抜紙を飾る。


朝は観客もまばら。近くで見れるのはいいね。 地元の中学生の舞からスタート。 天照大神(アマテラスオオミカミ)

太鼓のリズムにのって踊る。 素顔の方がかわいいのにぃ。(笑) 無形文化を受け継いでいって下さいね。

地元の中学生が踊るのは神楽の全部では無くって、3つか4つのみ。
でも日本の文化を受け継いでくれているって事は有難い事です。

小1時間の舞が終わり、いよいよ池川神楽の本編がスタート!!




まずは宮祓、悪魔払から。 二間四方の小さな舞台で
ぶつからない様に舞います。
何じゃこのおっさん?

テケテケテケテケテケテケテケテケ♪
ダッタタ、タタ、タタッツタタ♪ テケテケテケ・・・・・
単調なリズムの繰り返し・・・。(飽きてきたぁ)

天照大神(アマテラスオオミカミ)降臨。 演舞しているのは男性だそうです。(笑) だったら女子中生の方が・・・・・。


Kagura_m1.mpg (4.6MB)
動 画
Kagura_m2.mpg (7.0MB)

先に見た中学生の舞とかぶるし、動作の繰り返しと単調なリズムの太鼓と鐘の音・・・・・。
何よりも舞の意味が分からん。 1時間も見ていると飽きてきます。 それに寒いっ!!!

露店のたこ焼きといなり寿司とうどんでお腹も満たした事だし、
4時間も見てるの寒いし、そろそろ帰ろうかなぁ。。。。。

お盆を持ったウエイター参上。
「ご注文の舞はこちらでしょうか?」
手の平に載ったお盆を振り回します。 振り回してもお盆の粉は落としません。
いつもより余計に回しておりまぁす。

と思えば面白い舞も見られます。 四角いお盆を2枚、手の平に載せた人が登場。
お盆を振り回したり、デングリ返りをしたり、お盆を体に向けてぐるぐる回ったり、
でもお盆は手に吸い付いた様に離れず、お盆の上の粉(塩?)はこぼれません。
「いつもより余計に回しておりまぁす。」 とは言いませんけど。

すっ、すげーぜ。昔の人。 (動画で見てね。)

でもやっぱり意味が分からん・・・・・。


Kagura_m3.mpg (4.0MB)
動 画
Kagura_m4.mpg (4.0MB)




一方境内では舞を踊るはずの鬼が傍若無人に暴れ回っています。
子供を追いかけ、捕まえると、ぐるぐる振り回し、挙句の果てに
取材に来ていたカメラマンのおねーさんまで振り回し、酒を浴び・・・・・


「オレの名前を言ってみろっ!」 「何しとるこのガキぃ!」 「捕まえたぞぉ!」 「こうしてやるぅ!」

「おまえも回してやるぅ!」 まあ人気者みたいですね。 「酒でも飲まんとやっとれんわっ!」




だんだん観客が増えて来ました。 お猪口とお酒とおつまみが回ってきます。 観客のお目当ては振舞われるお餅。

はてさて、舞はまだまだ続きます。

途中、お酒とおつまみ(チリメンジャコ)が回って来たり、
お餅が振舞われ争奪戦が始まったりもします。

そうこうしている内に「四天の舞」、さっき暴れていたあの鬼が舞台に上がります。

舞の最中に子供を捕まえて・・・ ぐるぐる振り回します。 怯える子供達。(?)

大人も回します。 大泣きする赤ん坊。 町の偉い人も回されます。 スキップ♪ スキップ♪
「悪い頃は楽しいなぁ♪」

そして好き勝手に暴れ、悪の限りを尽くす(?)鬼に対して四天王様の登場です。
4人が狭い舞台で刀を振り回しながらぶつからない様に舞うのは結構難しいのかも。

この辺りが神楽の中で一番にぎやかで面白い所。
町の人も分かっているのでこの時が一番観客が多かったですね。

四天王様降臨。 「誰が最初に戦う?」 「えー、おまえ行けよ。」

「成敗してくれるぞ!」 「へっへー、やれるもんならやってみろぃ!」 「ええい! むかつく!」

四天王様と鬼との問答の掛け合いがあって、最後に鬼は降参します。

あのいろんな台詞をよく覚えてるなぁ、と鬼に関心。 四天王様はカンニング
ペーパーを見ながら、しどろもどろだったので、完璧に迫力負けしていました。(笑)



「参りました。」






もらったお餅を焚き火で焼く女の子。

さっき鬼に回されてたねぇ。
その為のヘルメットですかぁ?(笑)









えーっと、何だかよく分からなかったけど、ちょっと寒かったけど、
神楽、結構面白かったです。

堅苦しい舞台では無くて、町(村)の小さな祭りというか、
そんな感じで、年に1度、みんなで集まって舞を踊る、見て楽しむ。


これからもこの伝統を受け継いでいって下さい。