2008年1・2月合併号

「おんなの島」



さてさて、今回は「おんなの島」というタイトルですが皆さんご期待のようにエロエロ話ではございません。(笑)
場所は三重県の離島、「答志島」のお話です。先年コラム6月号、
「第11回 手塚治虫文化賞」 でお話しました通り、僕は漫画家「森下裕美」さんの「大阪ハムレット」という漫画をお手伝いしていて、その第6話がこの答志島のお話、タイトル「おんなの島」なのです。

それまで僕はこの答志島に行ったことはなく、絵を描いた時の写真でしか見たことが無かったのですが昨年GWに伊勢・鳥羽に行きましたのでその途中に島に渡って、自分の描いたものの現場を見てこようと思ったわけです。

答志島の概要--------------------------------------------------------------------------------------

面積 6.98ku  答志町  356世帯
周囲 26.3km  和具町  153世帯
世帯数 770世帯  桃取町  261世帯
人口 2981人  平成12年国勢調査

■ 答志島の生活基盤は、漁業従事者が80%を占め、観光業・公務員等、間接的には住民の全てが漁業生産の影響を受けて生活しています。町内の行事は漁業組合・青年団等によって運営され住民が住民が強い結びつきを持って毎日の生活にいそしんでいる事は、離島としての特殊事情を克服して、独自の生活様式も生み出しています。その一つとして「寝屋子」という制度があり、昔と生活様式の全く変わった現代にも、その制度は多少の変化があったにせよ、脈々と受け継がれ現在は鳥羽市の有形文化財に指定されています。

今もなお続く島の風習-------------------------------------------------------------------------------

寝屋子
一定年齢に達した男子数名を預かり、世話をする制度で、以前は珍しい風習ではなかったが、現在では答志地区にその良き伝統が受け継がれている。寝屋子は食事の為に実家へ帰り、職業に従事するなどのほかは、寝屋で過ごし、共に寝屋子となった若い衆は生涯義兄弟の縁を結び、冠婚葬祭はもとより何事があってもすぐに駆け付けてくれる。この制度がいつから始まったかは、はっきりしないが、百年以上前から続き、一説には九鬼水軍がいざと言う時に船のこぎ手を集める際、寝屋子を回れば早く人を集められることができたとも言われる。昭和60年2月19日に市の無形民俗文化財に指定されました。


三重の離島 答志島







ストーリーは、女の子になりたい男子小学生(主人公)がおばあちゃんの住む、他に自分のことを知っている人の誰もいない答志島で女の子として過ごしてみる疑似体験?もの。それ以上の詳しいお話はコミックスを買って読んで下さ〜い。(笑) (下欄に通販サイトもリンクしておきます)



鳥羽駅に到着

伊勢の名物「○福」

近鉄特急やね


まずは近鉄鳥羽駅に到着。名物の「○福」(事情により名は伏せておきます)の看板が付いているベンチもあります。
しかし
「○い恋人」もだけど、何で僕の行くところ行くところ、賞味期限の改ざん事件が起こるのでしょう・・・
オレのせい???いやいや、まさにトラブルメーカーとしてのオレ様の本領発揮です。(笑)



趣のあるビル、パールビル

あー、ここやね、この階段

定期船のチケットはここで買います

これが答志島までの定期船です

島に向かってレッツゴー!

到着しました


定期船に乗って答志島、和具港に着きました。JR・近鉄鳥羽駅より徒歩5分の鳥羽佐田浜港から出航。和具港まで料金530円 約25分です。


船着場からすぐに内部に入ったとこで発見。ここ!ここやん!!!

答志島案内図

正月飾りは確かに年中飾ってる

○八マークもあちこちにある


答志の町中を歩いていると玄関にお正月のしめ飾りが飾ってあったり、なんだか「○八」と墨で書かれたような文字があったりします。これって一体どういうことなんだろう?と言いますと・・・

八幡神社

答志には、八幡神社の信仰がある。答志の町を歩いていると、どこの家の戸にも「○八」と書かれていたり、しめ縄が玄関に飾られていたり、窓に札が貼ってあるのに気づく。
これは家内安全、大漁を祈願して八幡神社の信仰の一環としてなされているものである。この「
○八」という文字は、大漁を祈願して旧暦1月17日から19日におこなわれる、答志島最大の行事のひとつ、八幡神社の神祭で書かれる。この「○八」は魔よけ、厄よけの意味を持っている。
八幡神社は、答志島とはまた少し離れた島にあり、赤い橋を渡っていかなくてはいけない。橋を渡ると島は森のようになっていて、階段を上っていくと神社がある。閑静で眺めの美しい神社だった。神社からは、もちろん答志の町や海が見渡せる。

まるはち

マルハチの八は八幡神社の記しで、年に一度の八幡神社大漁祈願際(旧1月18日)の時に「お的」という行事で運ばれる神聖なる墨を島の男らが奪い合い、その墨で書かれたもの。「お的」(弓引神事ともいう)は祭の中でも最も盛り上がる迫力万点の行事です。

なるほど、なるほど。答志の人は海に直結して生活しているためか、島独特の信仰があるようです。



こんな険しい道を上ってく

九鬼嘉隆の首塚

こちらは胴塚


物語では「九鬼嘉隆の首塚」に行くのを嫌がってますが、僕は当然行ってみる・・・首塚までそんなに遠くはないのだけれどかなり険しい崖道、人の畑の横も通って行きます。胴塚は平坦な町中にあります。

戦国武将-九鬼嘉隆について------------------------------------------------------------------------

信長・秀吉のもと、水軍の将として活躍した九鬼嘉隆。「世界の海へ出る」という野望を抱いた志摩の若き海賊は、信長という稀代のカリスマと出会い、共鳴し、九鬼水軍を結成。伊勢長島を攻め、瀬戸内海の覇者・毛利水軍を撃破して石山本願寺を開城させるなど、信長の天下布武に欠かせぬ存在となる。乱世にあっても、外に目を向け続け、信長と共に世界を目指すことを夢見た海の男。

九鬼城主・九鬼定隆の次男。伊勢国司北畠氏に属していたが滝川一益を頼って織田信長に仕える。長島一向一揆を攻めに水軍を率いて参加、その功によって志摩・鳥羽城主となる。石山合戦では毛利水軍を撃破し九鬼水軍の名を高める。本能寺後は羽柴秀吉に従い四国、九州、小田原征伐や朝鮮の役に参加。関ヶ原では西軍に参加し敗戦したが子の九鬼守隆が東軍に参加したため助命を許されるが、その報が届く前に答志島にて自刃した。島内洞仙庵にて自害し首を葬った墓が首塚で、胴を葬った墓が胴塚として今も残っています。




ここで一旦鳥羽へと戻ります(劇中では)。ミキモト真珠島に来たのはオレは小学生時以来じゃなかろうか・・・色々真珠のすごいアクセサリーを見ながら、御木本幸吉翁の人生を紐解いてみる・・・子供のころに伊勢うどん売ってたんね。(笑)


通路です

ミキモト真珠島

御木本幸吉翁




毎日1時間に1,2回

海女スタンド

あの船に乗って海女さんが登場


ここでは「海女」の実演ショーもやっています。海女スタンドから見た映像も合わせてご覧ください。(ズームじゃないから小さくしか映ってないけど)


ama.avi (3.29MB 00:30)



鳥羽の定期船乗り場

海女のお守り、「セーマン・ドーマン」


お姉さんから海女のお守りをもらいます。(このお姉さんには男であることがバレてしまった) このお守りの☆マークなどは何なんでしょうね?なんかイカすデザインだなぁと思っておりましたが。

海女の信仰

海の中には魔物が潜んでいるとも言われ、海の中で命をはって潜っている海女には信仰が深く根ざしている。海女の世界には多くの信仰が根付いている。
代表的なものが「セーマン、ドーマン」である。一筆書きで描く星印をセーマン、4本と5本の線を重ねた格子形のことをドーマンという。セーマンは一筆書きで基の点に戻って書けることから、無事に帰って来られるという意味で、ドーマンは格子模様によって魔物を惑わすという意味が込められている。このマークを手ぬぐいなどに刺繍し、魔よけのお守りとして海に潜るとき身に付けるのである。
(写真は、海女の磯着に見立てた麻布に貝紫色で文字書きした手づくりお守りです。定価 800円 (税込))



上の絵とよく似てるね

帰りの定期船の後部甲板

岩壁です


島内捜索はこれにて終了です。初めて答志島に来たというのに、到着から離島までわずか50分!!!(行きは定期船でしたが、帰りは高速船で帰りました。) なんちゅうスピード観光なんやら・・・ほんまはもっと海(海水浴場)なども見てみたかったんですけどね。しかし充実した島内散策でしたよ。




上記「大阪ハムレット」コミックスの画像に通販先をリンクしておきました。興味を持っていただいた方はよろしくお願いしま〜す♪

ここでお知らせが一つ・・・

「大阪ハムレット」 2008年今春映画化!!!

<映画「大阪ハムレット」作品概要>

作品:劇場映画『大阪ハムレット』 2008年春公開予定
原作:「大阪ハムレット」(双葉社刊)
 平成18年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、 平成19年度手塚治虫文化賞短編賞
原作者:森下裕美
 ⇒「少年アシベ」「ここだけのふたり」他
監督:光石富士朗
 ⇒映画「おぎゃあ。」でハワイ国際映画祭ネットパック賞受賞、「富江replay」他
脚本:伊藤秀裕
 ⇒映画「棒の哀しみ」脚本・プロデュースで第49回毎日映画コンクール日本映画最優秀賞受賞 第3ブルーリボン賞受賞、映画「2/2」監督・脚本 他
出演者:松坂慶子、岸部一徳、久野雅弘(映画「かぞくのひけつ」主演)、森田直幸(映画「転校生」主演)、大塚智哉(新人子役)、加藤夏希、本上まなみ、間寛平
製作:「大阪ハムレット」製作委員会
制作協力:エクセレントフィルム

<あらすじ>
 父の四十九日も過ぎないうちに転がり込んで来た不器用な叔父・孝則(岸部一徳)。母・房子(松坂慶子)は亡き父・ヒサノリ(間寛平)の弟でもある叔父を迎え入れ、久保家の三兄弟は困惑する。
 長男・政司(久野雅弘)は高校受験を控えているというのに、生まれて初めての恋に夢中。
 小学生の三男・宏基(大塚智哉)は女の子になりたいと言い出す。
 中学一年生の次男・行雄(森田直幸)は、担任教師に自分の家庭をシェイクスピアの「ハムレット」に例えられたことをきっかけに、一人頭を抱えて悩みこむ。
 叔父のこと、亡父のこと、母のこと、そして家族のこと…悪戦苦闘の日々を送りながらも行雄は答えを見つけてゆく……。

本年も何卒よろしくお願いいたします